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再生紙
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イラスト/大島英太郎

多種多様な生きものたちの楽園

渡良瀬遊水地の自然

どこまでも続くヨシ原は一見すると単純な自然の風景ですが、この土地の微地形や土壌の水分条件が重なって多様な植物が生育し、約1,000種(うち国指定絶滅危惧種は65種)が記録されています。

背の高いイネ科植物がすべてヨシではなく、オギも混生しています。ヨシの茎の中は空洞で、オギの茎の中は海綿状になっています。秋の出穂(しゅっすい)時期には、茶色い穂がヨシ、白い穂がオギで容易に区別することができます。ヨシやオギは地下茎から芽吹き、夏には2~3mに成長し、時にヨシは4mに達することもあります。

毎年3月のヨシ焼きを合図に、渡良瀬遊水地には春が訪れます。5月にはトネハナヤスリ、ノウルシが群生し、エキサイゼリなどが点在します。ヨシの成長とともにハナムグラ、ヒメヨモギ、ハンゲショウ、夏から秋にかけてはワタラセツリフネソウなどが見られます。川や水路の河畔(かはん)や掘削地の跡地にはヤナギ林、またカサスゲ群落も見られます。

広大なヨシ原が織りなす四季
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カタシログサ (片白草) ともよばれます。高さは1mに達し、夏には小さな花の周囲の葉が白く変色します。
ハンゲショウ
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マイヅルテンナンショウ
高さ60~80cmの多年草で、和名「舞鶴天南星」は、鶴が舞うような形で葉を広げることから名付けられました。秋に特徴的な赤い実をつけます。
絶滅危惧Ⅱ類
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高さ5~25cmのシダ植物です。春のヨシ焼き後、一面に多数の個体が見られ壮観です。
トネハナヤスリ
絶滅危惧Ⅱ類
高さ40~50cmほどの多年草。和名は茎葉に傷をつけると漆(ウルシ)に似た白乳液が出ることに由来します。
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ノウルシ
準絶滅危惧
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高さ40~80cmの多年草です。花期は4~6月で、淡藍色の5弁の花が特徴です。
チョウジソウ
準絶滅危惧
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高さ5~20cmで卵円形の葉が特徴で、明るい湿地に生育する一年草です。8~9月には小さく美しい紫色の花が咲きます。
絶滅危惧Ⅱ類
マルバノサワトウガラシ
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絶滅危惧Ⅱ類
タチスミレ
多年草で湿地に生えるスミレです。5~6月に咲く花は小型で白色~薄紫色になり、良く伸びたものでは1m以上になります。
ワタラセツリフネソウ
和名は2005年に渡良瀬遊水地で発見されたことに由来します。花期は9~10月で、小花弁の形と趣旨の模様に特徴があります。
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ミズアオイ大群生/©堀内洋助
ミズアオイ
絶滅危惧Ⅱ類
高さ20~40cmの一年草。昔は菜葱(なぎ)と呼び葉を食用にしたと言われています。花期は8~10月です。
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初夏の朝のヨシ原(トリミング)/©堀内洋助
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​植 物

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フジバカマ
準絶滅危惧
万葉の時代から親しまれる秋の七草の一つ。園芸用に外国から持ち込まれたものと異なり、在来のものは1.5~2mと背が高いです。
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トネハナヤスリ群生/©堀内洋助
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